【犬の気持ち】犬が寂しいときにみせる行動や分離不安症について
- 2021/8/10
- しつけ・ヘルスケア

犬が寂しいときにみせる行動を知っていますか?
犬はさまざまな方法でみずからの感情を伝える動物であり、寂しいという感情も体中を使って表現してくれます。
そこで今回は、犬が寂しいときにみせる行動や分離不安症について解説します。
愛犬のボストンテリアが寂しがっていないか、当記事の内容を参考に観察してみてください。
犬に「寂しい」の感情があるのか
そもそも犬に寂しいという感情があるのかについてですが、結論としてはあるとされています。
「犬は人間を愛しているのか」を測った海外の実験例をご紹介します。
犬と捕獲飼育されたオオカミがそれぞれ人間に対してどのように振る舞うのか観察したところ、犬は見知らぬ人間に対しても熱心に交流を持ち、オオカミはあまり興味を示さなかったそうです。
このことから、犬は人間に対する愛情を持ち合わせているのだと考えられます。
また、「犬の嫉妬心」を測る実験も行われており、飼い主が愛犬のまえで犬のぬいぐるみをかわいがると、ぬいぐるみに噛みつこうとする、ぬいぐるみと飼い主の間に体を入れる、などの行動を取りました。
これらの実験から、犬が飼い主に対し愛情を持ち、他者(ほかの犬など)が間に入ろうとすると、嫉妬心を抱くという感情の動きを読み取れます。
総合的にみて犬は寂しさ感じられる動物であるといえるのです。
犬が寂しいと感じているときにみせる行動
犬が寂しいときにみせる行動をいくつかご紹介します。
犬の感情を知る際の参考にしてください。
遠吠え
遠吠えには、仲間にみずからの位置を知らせる意味もありますが、不安や恐怖を感じたとき際にも行います。
飼い主の帰りが遅い、かまってくれない、などの状況から不安を感じ遠吠えをするようです。
また、遠吠えとまではいかなくても、甲高い声で「クーン」や「キャン」と鳴く場合も、同様の意味を持ちます。
顔や鼻を押し付けてくる
顔や鼻を飼い主に押し付けてくる行動も寂しさからくるものです。
犬の弱点である顔や鼻を押し付けてくるのは、飼い主を信頼している証拠ですので、時間があれば遊んであげるようにしましょう。
前足を頻繁に舐める
犬が前足を頻繁に舐めるのは不安を抱いているからだとされます。
不安を感じる理由は多々ありますが、飼い主にかまってもらえない寂しさも含まれると考えられます。
頻繁に足を舐める行為は皮膚の炎症や脱毛を引き起こす原因となるため、患部を確認し、気になるようであればかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。
尾追い
みずからの尻尾を追いかけるようにグルグルと回り続ける行動です。
この行動は、犬にストレスが溜まっていることを意味し、飼い主とのコミュニケーション不足や不安などが関係しているとされます。
トイレ以外での排泄
トイレ以外の場所で排泄する犬がいますが、これも寂しいなどの不安からくる行動です。
また、わざとトイレ以外で排泄し、飼い主の気を引こうとしているとする考え方もあります。
そのほかにも、引っ越しをした・生活リズムが変わった・家族構成に変化があった、など犬を取り巻く環境の変化が原因となる場合もあるようです。
いたずら
飼い主が留守にしている間に部屋の物を壊してしまう犬がいます。
興味本位から取ってしまう行動ではありますが、寂しさを紛らわすためにやっていることもあるようです。
本来はちゃんと留守番ができるようしつけるのが一番です。
しかし、しつけには時間を要するため、はじめの対策としては誤飲の恐れのあるものや危険なものを、犬の手が届かないところに収納・隠すなどの工夫を施すとよいでしょう。
分離不安症の可能性も…
犬が寂しがるのは性格からくる場合もありますが、分離不安症という病気の可能性もあります。
分離不安症とは
分離不安症とは、飼い主と少し離れるだけで異常な行動や叫び声をあげる心の病気です。
特に近年では、コロナウイルス感染予防の観点から、世界的にテレワークの需要が高まっており、そこにペットブームが相まって、飼い主とペットがともに過ごす時間が増えました。
イギリスの例では、テレワークから出社をともなう勤務へ戻り、これまで一緒にいた飼い主が不在となったことで、ペットに分離不安症の傾向が多くみられるようになったとの報告も出ています。
分離不安症の症状
分離不安症の症状とされる異常行動には以下があげられます。
・声が枯れるまで吠える
・飼い主のあとをついてくる
・自傷行為
・家具などへの破壊行為
・飼い主の外出を察知して異常に吠える など
通常の寂しがりと類似する症状もありますが、分離不安症の場合はその頻度や強度が高くなるのが特徴です。
分離不安症の原因
分離不安症になる原因としてあげられるのが、社会性を十分に身に付けていないという点です。
社会性とは、犬が人間やほかの犬と適切な関係を作るために必要なもので、本来は子犬時に母犬や兄弟とともに過ごしながら身に付けます。
犬が社会性を身に付けるにおいて、幼年期とされる生後21日~90日までの期間がとても重要で、その時期に母犬や兄弟と引き離されると、成長してからも心に不安を抱きやすくなるのです。
そのほかにも、野良犬として生活した過去がある、加齢による体の衰え、飼い主の不在時に怖い思いをした、などが影響するとされます。
分離不安症を改善させるには
分離不安症を改善させる方法には、しつけと治療の2つがあります。
犬を短い時間ひとりにする訓練を継続的に行い、飼い主の不在に慣れさせていきます。
そのほかにも、犬が安心できる場所を作る、お気に入りのおもちゃをあたえる、などが有効だとされています。
軽度の分離不安症の場合、犬を落ち着かせるハーブを与えることで分離不安やストレスを解消してあげることができます。
攻撃性やあまりにも分離不安症の症状がひどい場合は、投薬による治療が施されることもあります。
動物の精神疾患に対する知見を持つ獣医師も増えていることから、改善が難しいときは、専門医に治療してもらうのがおすすめです。
愛犬と一緒に過ごす時間を大切にしましょう!
犬はみずからの感情を言葉で伝えることができません。
そのため、体中を使って気持ちを表現してくれます。
愛犬の性格や日頃の行動を一番知っているのは飼い主であるあなたです。
もし愛犬に異常行動がみられるときは、かかりつけの獣医師に相談してみてください。
愛犬の気持ちを100%理解するのは困難ですが、当記事を通じて、愛犬との距離が少しでも近づいてくれることを願っています。
ボステリ
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