業界人が語る本音のブリーダー選び

ボストンテリア子犬

長くペット業界にいると当然いろんなブリーダーさんとかかわる事も多いので、業界の裏側というものもわりと見えてきたりします。
ただ、同じ業界で仕事をしている以上やっぱり敵は作りたくないので、ネット上を見渡してもなかなか本音でブリーダー選びについて書いてあるコンテンツが少ないのが現状ではないでしょうか。

また、最近はブリーダーが直接販売するようなサイトも増えてきましたが、「自分のお客さんにはすすめたくないなぁ」と思うブリーダーもまれに登録しているので、見ていて本当に危なっかしいと感じる事もしばしばあります。
やっぱり、後でお客さんには恨まれたくないですからね。そこは自分が飼う時以上にブリーダー選びについてはシビアにならざろうを得ませんから、当然一般の方より目利きは出来るようになります。

本来なら「信用できないブリーダーも多いので、うちで買って下さいね~」なんてやるのがセオリーなのでしょうが、うちにそんなにたくさんお客さんが来られても生まれる子犬は数に限りがありますからね。
そこで今回は、普段私がどんな所を見ているのか? また、ペットショップを新規開業される方にもお伝えしている「取引ブリーダーの選び方」みたいな観点から少し皆さんにシェアしたいと思います。

 

 

 

ブリーダーにも2種類あります!

ブリーダーにもいろんな人たちがいるのですが、ひとつの考え方として大きく2種類に分かれていると思っています。
まずは、ブリーダーとひとくくりにしないで単純に2つに分けてみる事から始めてみましょう。

1. 愛好家タイプ

ネットではシリアスブリーダーとか言われていますが、これは普段使いの言葉ではないです。
ただ、シリアス=真面目という意味ではうまい言い回しだなぁなんて思っていますが、簡単に私なりに定義すると「販売のための繁殖ではない」という事が言えると思います。

この中で一番多いのは、ドッグショーやアジリティーなどで活躍されているブリーダーさんですね。あと、家庭的な繁殖でも純粋に子犬を育てる事に喜びを感じている人たちもこの中に入ると思います。

もちろん、利益重視でドッグショーやアジリティーをされている人も一定数いらっしゃいますが、少なくとも繁殖の目的はドッグショーやアジリティーで優秀な成績を修められる子犬を作出しようとされている事なんですね。
ですので、少なくとも繁殖に関してはベストを求めます。だって、自分の手元に残す犬を繁殖させるわけですからね。
そして、当然生まれた子をすべて手元には残せないので、大切に育てていただける方にお譲りしますよ!というスタンスなのです。

この愛好家タイプの特徴は、やはりしっかりとした子犬が多いという事です。犬種標準とはその犬種の心身ともに健康なスタンダードの事ですが、それに沿って繁殖をされていますので、きちんと交配されている所ではそれほどバラツキは出ませんね。

一番わかりやすい見分け方ですが、他にちゃんとした本業を持っているという事があげられます。

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2. 繁殖屋さんタイプ

いわゆる「販売するための繁殖」を行っている人たちの事を指します。私たちの間ではブリーダーとは呼ばず、繁殖屋さんと呼んでいます。
手元に残す子もいますが、それは文字通り「種」にするため。愛情がまったく無いとは言いませんが、それより利益を重視している人たちですね。

ペットショップに卸す人、オークションに出す人、最近ではかなりの繁殖屋さんが一般の人たちに直販もしています。
それこそ、数を産ませてなんぼの商売ですので、それほど質にはこだわっていないように見受けられます。お客さんとのトラブルを起こしているのは、主にこういう人たちですね。

もちろん、繁殖屋さんを本業にしている人すべてが悪いとは言いませんよ。少ないですが、ちゃんとした人もいます。
ただ、私は余程しっかりした人じゃないと付き合いたくないと思っています。

 

良いブリーダーの見分け方(机上編)

私の場合にはドッグショーに出向いたり、取引ブリーダーさんからの紹介など自分の足で探しますが、一般の方はまずネットの情報からブリーダーを探されると思います。
まぁ、実際にブリーダー宅へ行けばいろいろ分かる事もあるのですが、手あたり次第訪問するのも非効率ですので、まずはネットの情報から判断してみたいと思います。

・子犬の写真を並列に眺めてみる

販売サイトなどにはブリーダーによっては複数掲載されている事も多いと思います。
とかく興味のある子犬の写真のみを見がちですが、一度冷静になって、そのブリーダーが掲載されている子犬すべてを見てみましょう。もしかしたらボストンテリア以外の犬種も掲載しているかもしれませんので、その場合は他の犬種も必ずチェックしてください。

極端に痩せている子はいませんか? 欠点がやたら目に付くという事はありませんか? 不自然に画像を加工したりしていませんか?
ちなみにボストンテリアの子犬の体型ですが、がっちりコロンコロンなのが良いです。本稿一番上の子犬画像は私としては若干スリムな部類だと思います。これより痩せているのはちょっと要確認ですね。

・過去の販売件数やクチコミの数を見てみる

手の届く飼育適正数というのはおのずと限られてきます。いくら愛情があったとしても、ブリーダーひとりで50匹も100匹もきちんと面倒を見るなんて物理的に無理です。
個人レベルで繁殖しているところだとせいぜい出産は年に何回です。
これが、毎月のようにたくさん販売されている所は、それなりに数多く出産させている、つまり手が届いているのか?という疑問が湧いてきますよね。

過去の販売情報が見れない場合は、よく販売サイトなどだとクチコミ情報が書かれていたりしますので参考にされると良いと思います。
内容はどうとでもなるので、その中身は参考程度にして、一番見ていただきたいのはその頻度です。数も頻度も多ければ、嘘でなければそのクチコミの数の何倍も繁殖しているという事が言えると思います。

・販売規約等から読み取る

まず見ていただきたいのが生体保証です。
よく「死亡の場合は2名以上の死亡診断書の提出」なんて書かれていますが、これって揃えるの大変だと思いませんか?
亡くなった時にかかわった獣医さんなら診断書は書いてくれると思います。問題は2名以上という点、これって死体を別の動物病院に持って行って診断書を書いてもらうという事なんでしょうかね? 普通、獣医さんだって診てもいない子の診断書なんて書けないですよ。

つまり、保証が保証になっていないという事。ちょっと販売姿勢としては疑問を感じますよね。
ただ、これは「なんとなく他のブリーダーが書いてるから」と深く考えずに書いている人も多いので、直接ブリーダーに聞いてみるといいですね。
たいていは柔軟に対応してくれますが、頑なにこだわる人は私なら「頻繁にこういう事があるのかな?」なんて思ってしまいます。

また、これは良い悪いではなくてひとつの考え方なのですが・・・
最近はよく代行業者に依頼して子犬を見てもらうような事をされているブリーダーも見られます。
要は、例えば地方のブリーダーが一旦羽田空港に子犬を空輸して、代行業者がお客さんに子犬を見せるというサービスなのですが、私としては「子犬の負担を考えているのかな?」なんて思うわけです。
お引渡しの際の空輸は片道だけなので、しっかりケアすればまだ何とかなります。でも、購入されるかどうか分からない段階での事ですからね。もし、お客さんが気に入らなければ、さんざん知らない人に抱かれ、触られ、ぐったりした状態で復路の移動が待っているわけです。そんなの体壊しますよ。

もっともある業者さんにそれとなく聞いたら、ほぼ100%成約するらしいです。
でも、それもどなんでしょう?優しい飼い主さんはせっかく来た子を戻すなんて心理的にかなり難しいですよね。なんだか押し売りみたいで私は好きになれません。
ちなみにうちでは、東京だろうが北海道だろうがこちらまでご足労いただいています。お客さんには申し訳ないのですが、子犬の健康が最優先です。

他にも、一般的な商習慣では考えられないペット業界特有の販売規約や販売方法があったりします。ブリーダーさんに問い合わせてみて納得がいかなければ対象から外した方が無難でしょう。

・やたら小さい事をアピールしてないか

ボストンテリアにも標準犬種という規格(スタンダード)があります。先にも書きましたように、心身ともに健やかな個体が生まれるように、また、ボストンテリアらしさを後世に残して行くために、スダンダードに沿った繁殖を行う事は非常に大切な事なんですね。

一般的に流通している軽量級のボストンテリアで、現在のところの成犬標準体重は6~7kgです(実勢値)。
もちろん、きちんと交配していてもまれに小さい子は生まれてきます。でも、それをやたら「小さいですよ~」なんてアピールしたり、わざわざ小さい個体が生まれるように交配したりというブリーダーも目につきますよね。
昨今はどんな犬種でも小さい子の方が売れるという風潮になっていますが、本当の愛好家ならスタンダードの重要性が分かっていますので、そんな販売方法は取らないはずです。

こういうところも、ひとつの判断材料になりますよ。

 

良いブリーダーの見分け方(訪問編)

机上や問い合わせで悪くないと思えば次に犬舎訪問をしてみましょう。
私などは新規でブリーダーと取引する際は、訪問は本当に重視しています。なぜなら、一瞬で読み取れる情報が圧倒的だからです。
どんなに電話では良い人に見えても些細なことからボロは出るものです。よほど信頼できる人なら別ですが、やはり訪問時はさりげなくチェックする事をおすすめします。

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・訪問する前に犬舎周辺をそれとなくチェックする

突然訪問するわけじゃないと思いますので、ブリーダーはそれなり片づけていると思います。でも、普段から綺麗にしているとは限りません。
そこで私はいつもどうしているかというと、玄関のチャイムを鳴らす前に犬舎周辺をそれとなく見るようにしています。玄関は綺麗でも、庭や裏の敷地がひどい状態の場合もありますし、管理状態の悪い犬がいるかもしれません。一番ショックだったのは、敷地の隣の溝に犬の死体らしきものが浮いていた事もありました。
あまりウロウロして不審者扱いされてもいけませんので、あくまでもさりげなくです。

・犬舎や両親犬を気持ちよく見せてくれるか

子犬の将来の大きさを見るうえで重要なのは、今現在の体重ではなく、両親犬の大きさです。
子犬によって成長の早い遅いもありますし、骨格や筋肉がしっかりしている子ほど体重は重くなります。例えば同じ1kgの子犬でも、痩せて1kgなのか丸まる肥えて1kgなのかでは当然大きさも体型も違いますよね。
また、よく吠えるとか、性格が荒いとか、あんなのは育て方もありますけど半分は血筋ですし、容姿などは子犬の頃ではなく、むしろ成犬になって差が出てくるところです。やはり、大きさ等も含めて容姿性格面でも両親犬は見ておく必要はあります。お願いしても両親犬を見せてくれないブリーダーは、見せられないやましい理由があると思っていただいて結構です。

それと、可能であれば普段子犬たちが生活している犬舎も見せてもらって下さい。衛生状況や運動できる環境なのかなどの判断になります。

ただし、これらには正当な理由があって見せられない場合もあります。
例えば、父親が他犬舎の子などは実際見せる事は出来ませんし、母犬だって育児疲れでナーバスになっている事もあります。犬舎も病気予防の観点から部外者を立ち入らせたくない場合もあるでしょう。
納得できる理由なら、そこは変に考えなくても良いと思います。

・環境面でのチェック

犬は吠えるものです。だからといって、訪問している間ずっと吠えっぱなしなんてのは子犬の将来が知れています。まずその子も吠える子になる可能性が高いですからね。
また、ある程度はしょうがないとしても、鼻をつまみたくなる程の悪臭を放っている犬舎も過去に何度も見ました。これも、衛生状態を疑ってください。
もっともこのあたりは頭で考えずに、皆さんの肌感覚で感じてもらって大丈夫です。もし、なんとなく不快に感じたのなら何かしらのサインかもしれません。

・最後はブリーダーの人となり

実際に子犬と暮らしてると、本当に教科書どおりにいかないものです。
また、どんなにきちんとした繁殖をしていても病気のリスクはゼロではありません。そんな時、そのブリーダーは頼りになりそうですか?
飼い主さんとして、そのブリーダーと長く付き合えそうですか?

私は実はブリーダー選びで一番大事なのは技術でもなく経験でもなく、ブリーダーの人間性だと思っています。
人間的にちゃんとしている人は、犬の事だってちゃんとしています。
ブリーダーの人間性を観察する意味で、いろんな細かい事を質問しまくって下さい。それを面倒だと思うブリーダーはそこまでの人です。だって、購入を前提にしている時に態度が悪いのに、その後の相談なんてちゃんと受けてくれると思いますか?

もちろん、人を判断する前にお客さん側も人としての礼儀はあると思います。私だってそう言いながら、しっかり初対面では相手から値踏みされてますしね。
客だから、販売者だからという見方ではなく、そこはフラットに人間同士のお付き合いという観点で接するとより判断できると思いますよ。

 

以上、ざっとブリーダーの選び方についてシェアさせていただきました。
もちろん、これ以外にもいろいろ判断材料はありますし、必ずしもこれが正しいという事でもないと思います。
そのあたりは皆さんなりに嚙み砕いていただいて、もし参考になる事があればぜひご活用ください。

 

 


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原田伸一

これまで200匹以上の優秀血統ボストンテリアの子犬を仲介販売し、その後の多くの育児相談を行いながら成長を見守る。日本でもトップレベルのブリーダーとも懇意であり、長年のゴマスリによる信頼度は厚い。明太子は永遠の友。 ・ブランシアン代表・日本ペット通販振興会チーフコンサルタント

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