
虫歯予防に効果があると言われているキシリトール。普段愛用されている方も多いですよね。
でも、人にとっては有益なキシリトールも犬には有害である事は意外と知られていないのではないでしょうか?
先日もあるお客様宅へ子犬をお届けした際に、キシリトールガムのタブレットが置いてありましたので処分していただいたのですが、特に子犬をはじめて飼われる方の中にはその危険性がよく分かっていない方もいらっしゃると思います。
そこで、今回はそんなキシリトールの危険性についてシェアしたいと思います。
瀕死の重症や死亡例も
以前、当サイトでも「犬に食べさせてはいけない食材10選と誤食時の対処法」で書きましたが、キシリトールはほんのわずかな量で致死量になる事もあります。
私の身近にも、妹宅のスタンダードプードルが緊急処置で一命を取り留めた事もありますし、数年前にはお客様のご愛犬が亡くなった事もありました。
2006年にアメリカの犬に関する研究結果では、8頭の中毒例のうち、5頭の犬が死亡したとのレポートもあるそうです。
このレポートによると、体重10kgの犬に対し、わずか1gで治療が必要との事です。
一般的なキシリトールガムに含まれるキシリトールの量は、ひと粒あたり0.6g程度(医療用のものはもっとたくさん含まれています)ですので、小型犬だとひと粒食べても危険な量という事が言えます。
予防と誤飲時の対処について
予防と言っても「とにかく食べさせない事」しかありません。犬を飼ったらキシリトールガムのたぐいは買わないぐらいの徹底が必要かもしれませんね。
高いところに置いているから大丈夫・・・という油断が事故につながります。また、来客等で持ち込まれた場合、特にお子さんには十分注意されて下さい。
先ほども書きましたが、たったひと粒でも危険なのです。ガム類を買われる際は、必ずキシリトール成分が入っていないかご確認される事をおすすめします。
ただし、そこまで気を付けていても散歩中に拾い食いなんて事もあるかもしれません。
誤って食べてしまった場合は、ほとんどが30分以内に中毒症状が出てきます。キシリトールは急激な低血糖を引き起こしますので、意識の低下やけいれん、脱力、ひどい場合は一気に昏睡状態に陥る事もあります。
応急処置として、塩水やオキシドールで吐かせるなんて書かれているサイトさんもありますが、はっきり言って慣れていない素人さんでは無理です。低血糖である事から、砂糖やブドウ糖を飲ませるなんて事も都市伝説です。
砂糖では糖分として吸収されるのに時間がかかりますし、一般家庭にブドウ糖なんて普通置いてないですからね。買いに行ってる間に手遅れとなりますよね。
対処法としては、誤飲したと思ったらただちに動物病院に向かって下さい。
キシリトールを食べたからと言って必ずしも中毒症状が出るわけではないですし、平気な子もいます。
でも、症状が出てからでは間に合わない事もあります。慌てて動物病院に向かっても30分なんてあっという間ですから、病院に到着する頃には中毒の有無ははっきりしますよね。
キシリトールガムには近づかない事(近づけない事)、そして万が一誤飲した場合は、ヘタな事せずすぐに動物病院に向かう事。
ぜひ、心に刻んでいただけると嬉しいです。
尚、余談ですが、イチゴなどにもごく微量のキシリトールが含まれているらしいですが、致死量とはほど遠い量らしいです。キシリトールガムなどの加工品にのみご注意いただいたので大丈夫ですよ。

原田伸一

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