のらくろが実在?!第一次大戦の英雄犬スタビー軍曹

Original caption: Washington, DC: Meet up with Stubby, a 9-year-old veteran of the canine species. He has been through the World War as mascot for the 102nd Infantry, 26th Division. Stubby visited the White House to call on President Coolidge. November 1924

写真出典はすべて Defense Media Network

のらくろと言えば、戦前戦後に大人気となった漫画のキャラクターですが、そのモデルとなったのはボストンテリアによく似た雑種らしいですね。
時代を反映してか、のらくろは軍隊をモチーフにした漫画だったのですが、実はのらくろ並みに活躍した軍用犬が実在したんですね。

その名前は「スタビー」。犬としては、米軍史上初の軍曹に昇進した英雄について少し調べてみました。

 

元々は軍隊に迷い込んだ野良犬だった!

犬種について調べてみたのですが、ボストン・ブルテリアやピットブルミックスなど諸説あるようです。
筆者としては、写真からボストンテリアと思いたいのですが、そういった記述は残念ながら見られませんでした。ただし、ボストン・ブルテリアという記述が正しいなら、ほぼボストンテリアに近い犬であると言えるかもしれません。その当時は、犬種としては出来立てのほやほやでしたから。

さて、そのボストンテリアに似たスタビー。
1917年の夏にイェール大学のキャンパスに迷い込んだところをJ.ロバート・コンロイ兵卒に拾われ、そのまま彼の所属する歩兵部隊の非公式マスコットのような存在になったそうです。

訓練の合間にいろんな人たちに可愛がられ、右足で敬礼する芸まで身に付けたようです。
そんな平和な訓練生活も長くは続きませんでした。世は第一次世界大戦の真っただ中、スタビーが非公式に飼われている部隊にも戦地へ向かう命令が下されたのでした。

 

単なるマスコットが意外な活躍!

同年10月、部隊は軍艦ミネソタに乗船。その際、コンロイ兵卒の手により秘密裏にスタビーも乗船しました。
その後、フランスに上陸した際に指揮官に見つかり、あわや野良犬に逆戻りの危機を迎えましたが、コンロイ兵卒をはじめとした部隊の人達の嘆願や、その決め手となったスタビーの敬礼に指揮官も破顔、ここでようやく部隊に所属する事を認められたのでした。

まぁ、ただこれから向かうのは危険な戦地ですものね。現代の感覚だと安全な場所に引き取ってもらうのが常識なのでしょうが、そこはその当時の時代背景や考え方も今とは違うでしょうからね。とにかく、この時点でその後の活躍につながる運命の始まりを迎えたわけです。

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スタビーの災難は、1918年2月、フランス北部の戦地に駐留した直後に起こりました。
部隊は、突然敵からの毒ガス砲攻撃にさらされたのです。当然、兵士達は自分の身を守り、反撃するのに意識が集中し、スタビーに気を取られているわけにはいきません。
気が付けば、スタビーは大怪我をしていたのです。

幸いな事に命は取り止め回復したようですが、その直後から毒ガス等の化学物質には敏感に反応するようになっていました。
怪我の功名とはまさにこの事、ここからスタビーの数々の武勇伝が繰り広げられます。

ある時は、スタビーのいる部隊に夜明け前の毒ガス攻撃がありました。
彼の鼻が毒ガスの最初の匂いを嗅ぐやいなや、スタビーは警戒の声を上げはじめ、塹壕を行き来して、眠っている兵士たちに吠えたり噛んだりして総員起こしを敢行しました。
おかげで、兵士たちはドイツ軍の攻撃を未然にキャッチし、撃退する事ができました。

またある時は、塹壕に留まるだけではなく、きまぐれに前線まで徘徊し(本人の名誉のためにパトロールとします)、怪我や死亡した多くの味方兵士を見つけたりもしました。

そして、もっとも大きな功績は、部隊に近づく敵のスパイをことごとく発見し、危険を未然に防いだことです。

スタビーのさまざまな活躍を見聞きし、指揮官は大いに感銘を受け、飼い主であるコンロイ兵卒の上位職である軍曹に任命。
奇しくも飼い犬が上官になってしまったコンロイ兵卒は、さぞ複雑な心境だった事でしょう。

 

一連の活躍が新聞に報道され、スタビーは全米の英雄に!

スタビーはヨーロッパの戦場で18か月を過ごし、17の戦いに参加しました。
その活躍が新聞に報道されるやいなや、全米の英雄となり、一躍時の人(犬)となったのです。

アメリカ赤十字社やYMCAの生涯名誉会員となり、ジョージタウン大学では公式マスコットに任命、彼の前足は3代の大統領と握手をしました。
米軍からは数々の戦時勲章を受け、今でいう国民的アイドルのような扱いだったのでしょう。

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スタビーは1926年に天命を全うしました。彼の体は剥製として、現在も国立アメリカ歴史博物館にその輝かしい功績と共に展示されています。

 

と、ざっくりまとめてみましたが、みなさんいかがでしたでしょうか?
戦争というものは現代においては悪とされていますが、その当時の感覚では究極の外交手段であり、必要悪のものでした。
そういった中、兵士たちの心を癒す存在であり、幾度かの怪我や困難を乗り越えて人間以上に活躍したボストンテリア似のスタビー。
ボステリ好きとしては、素直にその功績を称えたいですよね。

 

 


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原田伸一

これまで200匹以上の優秀血統ボストンテリアの子犬を仲介販売し、その後の多くの育児相談を行いながら成長を見守る。日本でもトップレベルのブリーダーとも懇意であり、長年のゴマスリによる信頼度は厚い。明太子は永遠の友。 ・ブランシアン代表・日本ペット通販振興会チーフコンサルタント

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